それに加えて、彼女は俺と同い年だったこともあり学校でも話題になった。
王家の者が若くしてなくなるのは珍しいこと。
幸い、緑の国には王子が居たため、そこまでの混乱にはならなかったが。
そういえば、彼女、アイリは金の国の本をもっていた。
金髪だし、恐らく金の国出身なのだろう。
珍しいことでもないしな
国民のやく四割程は他民族である青の国。
道を歩けば、金髪や青髪、緑髪に赤髪、白髪に黒髪…
様々な髪色が入り交じっている
俺は青髪だけど、アキは金髪だ。
他国を認め、互いに刺激しあい高めあう
謂わば、最高の形。
それが、この世界の在り方だ。
「えええええええ!!!」
「うっせーよ」
「マジで?会ったの?アイリちゃんに?うわ、羨ましい!しかも喋ったの?畜生、俺も一緒に図書室行っとけば…」
翌日、アキに昨日のことをはなした。
アキ曰く
「転入生の女子、アイリちゃんは超美人だけど滅多に笑わない。無表情で関わりにくい」
だって。
確かに、アイリは無表情だったけど。
すごく真剣に本を読んだり
小さく笑ったりして
周りが言うよりも、もっと感情があるんじゃないのかな
って、俺まだ出会って一日なのに。
何知ったようなこといってんだか。
「あ、そーそー。それでね、よくアイリちゃんと一緒にいる転入生についても少しだけ分かったんだよ。」
「聞きたいでしょ」
…そりゃ
「聞かせてくれよ」
知りたいに、決まってるだろ。
アイリの彼氏?らしき人物。
「エイル、って名前で超イケメンなんだよ」
超イケメン、ね。
まぁアイリだって天使なんだからその彼氏なら王子か…
「アイリちゃんと一緒で金髪な。多分、大陸から転校してきたんだと思う」
大陸。
俺たちは緑や金、赤の国の人たちを大陸と言う。
大陸はココ、青の国とは違いもっと都会で特に金の国なんてまるで別の世界みたいだ。
「金の国ってことはお前と一緒か。」
そう、アキだって中学三年の終わり頃に大陸から来た。
「そうそう、だから俺とアイリちゃんとエイル?君は多分皆金の民なんだよね」
なるほどな
全然共通点が見えなかったけどアキとは出身国が一緒なんだな。
ついでに容姿も綺麗だし。
…まぁアキはカッコいいより可愛い系男子だけど。
「こんな時期に転入生なんて、珍しいよな」
「ん、そうだね」
アキは軽くうなずく。
まぁアキだって学期末の微妙なときに入ってきたけどな
「なんか、事情があんのかな」
事情があって、彼氏と転入してきた?
いくらカップルだからって一緒に転入ふるか?しかも微妙な時期に。それも、大陸から海を渡って。
駄目だ、わからない
アイリは謎が多すぎる。
「謎だよねー、あいつら。」
なんか出身の学校とかも言わなかったらしいよ、と軽くいうこいつ。
ああ、そうだな。
今の俺たちは何も知らない
アイリのこと。
だけど何か、知りたいって思うんだ
また、会えるかな。
あったら、質問できるよな
淡い期待に胸を踊らせた