「え!嘘!」
「嘘じゃないよ。だってうちの学校、学年でネクタイの色違うじゃん。」
そうだ。
た、確か、今の3年生が青で、2年生が緑。
んで、あたしたち新入生が赤。
ぱっとネクタイを見ると
赤だ…!
「うわっ恥ずかしい…」
背が高いから、年上だと思ってた…
すると、男の子が吹き出した。
「ははっ、普通間違えないっしょ!
まあそうゆうことで、同級生だから、タメでね!」
その笑顔を見た瞬間、あたしの心臓が キュッ て音をたてる。
あたし、何か少しドキドキしてる… 何で?
すると、どこからか先生がやって来た。
「おい!そこ何してる!クラス分け見て、早く教室入れよー!」
「あ、はい!」
あ、そっか。ここ、駐輪場だ。
時間を見ると、せっかく自転車飛ばしてくれたにもう8時だった。
あと5分しかない!!
「よしッ、んじゃ行くか!」
あ、大事なこと聞いてない!
「ま、待って!」
「ん?何?」
「あの…名前、教えてもらっていいかな?」
そう聞いたら、またあの笑顔で笑うから、
また心臓が キュッ と音をたてた。
「宮原 千真 ( ミヤハラ カズマ ) 。お前は?」
宮原、千真くん …
名前聞けて、良かった。
「… 明石、愛桜 だよ。よ、よろしく。」
「おぅ、よろしくな!明石。」
…あ、まただ。名前を呼ばれただけなのに。
さっきから、あたしの心臓は何故か、
しばらく鳴りやまなかった。