「そう?なら、その辺の男子でも誘ってくるわ~」

夢叶が自分の席から立った時、教室の向こう側から声をかけられた。



「夢叶、まーちゃん!」



「透。どうした…あ、そうだ。ちょうどいいし、透でいいや。組もうよ。」


「え、ちょっとまって『ちょうどいい』とか『でいい』って何だよ(笑)
まぁ俺も誘おうと思ってたけどさ。」


「じゃ、決定ね~!」


遥香が笑顔で帰ってきた。
そして透くんが、にこにこしながら付いてきた。

…席に着かなくても良いのかな?
と思ったけど、まあいっか。


他の人はまだ決めてるみたいだし。



「すんなり決まって良かったね、夢叶。
透くん、よろしくね~」


「おーう!よろしく!」



「あ、そうだ。
ところで透!あんた誰と組んだの?まさか、ぼっち?友達できてないの~?」

遥香がニヤニヤしながら聞いた。
うわぁー、ヒドい幼なじみだね、透くん…

あたしは心の中で呟いた。




「ちげーよ!友達ぐらいいるわ!(笑)
俺は千真と組んだよ。さっき話したらいい奴だから気に入った!」



え、透くんと千真くんが、ペア?




てことは、千真くんと、同じ班…



「じゃあ、メンバーはあたしと愛桜、透、千真か。
宿泊研修、楽しみになってきたね、愛桜!」



「う、うん!」



千真くんと同じ班だなんて、ほんとに嬉しい。
ただ、もうすでにドキドキし始めてるあたしの心臓。


こんなんで、大丈夫なんだろうか…?


何かが起こりそうな…そんな気がしてならなかった。