「はぁー…」


自分の気持ちに気づいた途端、頭の中は千真くんのことでいっぱい。脳みそがバクハツしそう…


「…い、ま~な~。愛桜ってば!」


「うぇ!?な、なに!?」



「もー、何回も呼んだのに全然気づかないからぁ。どうしたの?考え事?」



「う、ううん。何でもないよ!
それより、どうしたの?」


「あ、なんかね、男女別れて2人か3人組のペア作れだって。だからさ、一緒に組まない?」


「うん!組む!」



話、全然聞いてなかったから、遥香がいて良かった~。

「おーい、全員組めたか?余ったヤツは特別に俺の隣が空いてるぞー」


先生がそんなことを言うから、どっと笑いが起こった。



「中野先生、まだ若そうだし顔はまあまあだけど、あたしたちからしてみればおっさんに変わりないよね。」


遥香がそんなことを耳打ちしてきたから、あたしは笑いを堪えるのに必死だった。


「よし。じゃあ全員OKだな。そしたら男子1組、女子1組で4~5人のグループつくれ~」



「せんせー!これ、今何してんですか?」



1人の男子生徒が聞いた。
たしかに。何してんだろ?




「ん?これは、来週の宿泊研修の班決め。」



「え!」


思わず、小さな声で叫んでしまった。
そ、そーゆうのって先生が決めるものじゃないの??


「はい、さっさと作れ~」

ぱん、と手を叩く中野先生。


なんか、結構適当なかんじ。
まあそれぐらいの方がやりやすいかな。



「遥香、どうする?」


「んー、まだ知り合いとか少ないから誘いづらいけど…愛桜は、誰でもいい?」


…正直言うと、千真くんと組みたい。
けど、もう決まってたら…


「あたしは、誰でもいいよ。」