「しーっ!愛桜、声おっきいよ!愛桜にしか言ってないから、誰にも言わないでよ!」




遥香が慌ててあたしの口をふさぐ。




「ご、ごめん。わかった、言わない。でもさ、まだ1回しか話してないんでしょ?早くない??」




あたしはまだ 、“恋”ってよくわからない。

話してて楽しいなって男子はいても、恋愛対象じゃなかった。


人を好きになったことがないから、好きって感情がどんなのかわからない。


そんな、経験が浅いあたしにとって、遥香の話は結構びっくりだった。




「えぇー 早いなんてないよ。
好きになるのに理由はいらないし、時間も関係ないよ。そうゆうのって、あたしは直感だと思う。」




「直感…?」




「うん、直感。出会った瞬間、『あ!この人だ!』って。」




つまり、一目惚れみたいなことかな?




「愛桜に話しかけたのだって、直感だよ。『この子と、友だちになりたい!』
って思ったから話しかけたし、今もこうやって話してるの。
あたしは、なんてゆうかな、運命感じたからさぁ!」



えへへっ と、遥香が少し照れながら言った。


「遥香…」


そんな風に思ってくれたと知って、すごく嬉しかった。


「だから!これからも仲良くしてほしいな~!」


そう言ってくれた遥香に、あたしは大きく頷いた。



「うん、もちろんだよ!わたし、遥香みたいな子に出会えて良かった!」



「ありがとう!あたしも愛桜と出会えてよかった~!」



同じ中学の友達がいないあたしは、遥香の言葉にすごく救われた気がした。