ーーーーーー
教室に着くと、遥香が既に来ていて、
わたしを見るとこっちに走ってきた。
「あ!愛桜!おはよ〜…っえ?愛桜、彼氏いるの?」
「遥香、おはよう!
いきなり何?彼氏って、誰の事??」
「いや、隣にいらっしゃる方です。」
隣にいるひとって…千真くん!?
あたしと千真くん、
カレカノに見えたりするのかな…?
すると横で、千真くんが笑いながら言った。
「ははっ!違う違う!
明石の友達第1号(笑)宮原千真。」
友達、第1号 … かぁ、
いやいや、付き合ってないんだから
そりゃ当たり前でしょ。
あたし、何をがっかりしてんの?
「あね!そーなんだ!(笑)
じゃあ私は、愛桜の友達2号の江口遥香!遥香って呼んで〜!!」
「OK、遥香ね!よろしく!」
“遥香”って、千真くんがそう 言った瞬間、
今までの胸の高鳴りとは違う、なんとも言えない感じがした。
なんか、ざわざわってゆうか モヤモヤ?
普通に、千真くんが遥香を呼び捨てしただけなのに…?
んー、なんだろうなぁ。
ま、いっか。色々考えても、わかんないんだから仕方ないし。
「そうだ!遥香、ちょっと聞いて!」
「ん?どうしたの?」
「昨日、バスケ部見に行ったんだけどね、男子に、超カッコイイ人がいたの。1年生なんだけど!」
「へぇ〜!何組の人?」
「隣!A組の、加藤 真幸( カトウ マサキ )くん!
でね、勇気出して話しかけたら、すっごい面白くって、話しやすくて、」
そこで遥香は、あたしの耳元に顔を近づけて 小さい声で言った。
「…好きになっちゃったかも。」
「えぇ!!!」
びっくりして、思わず叫んでしまった。