美しい男達が画面越しにこちらに微笑む。その煌びやかさ、華やかさを誇示するように。しかし、その柔らかな笑顔はどこか冷たい。 柚仁はアイドルが好きだった。彼らは柚仁になにも語らない、訴えない。美しい容姿を提供してくれるだけ。柚仁を傷つけることはない、踏み込んではこない。 「痛い」 姉の沙羅はそう冷たい目を向けるけれど、別にいい。 人目を気にして、痛みを恐れて、本当の自分を隠すほうがよほど痛いのだからーーーー。