「ノイさんが起きたら、すぐ戻ると伝えておいてください」


私はそう言ってから、

目的の場所に歩いて行った。




そこは古い神社だった。


「久しぶりだな…ここに来るの。」


私は小さくつぶやいた。


ここは私の過去の人たちとの

思い出のある

数少ない場所だった。


だからここで

過去を振り返らないように、

決意しようと思ったんだ。


私は手を合わせて、

心の中で言った。


私は今いる大切な人と

一緒に歩いていきます。


今までずっと

辛くて暗い世界としか

思えなった私の世界に

光をくれた人と一緒に。