次の日の朝、

部屋で目を覚ました時、

私は今までとは

世界が違って見えた。


もう大切な人が

いなくなってしまうことを

嘆いたりしない。


今いてくれることに

感謝しよう。


幸せに感じよう、

そう思えるように

なっていた。


まだ朝早かったみたいだけど、

私は行きたいところがあったから

出かけることにした。


宿を出たところで、

宿の主人の人に会った。


「こんな朝早くからお出かけですか?」


花に水をやりながら、

優しく聞いてきた。


「少し寄っていきたい所がありまして。」


「そうですか」


にっこりとほほ笑み

そう応えた。