「こんな所で寝てると
風邪ひいちゃいますよ?」


私がそう声をかけると、

ノイさんは目をこすりながら

起き上って返事をした。


「んあぁ…」


そのまま立ち上がり、

大きく伸びをして

深呼吸していた。


私は伸びをするノイさんの背中を

見つめていた。


だけどノイさんが

こっちを振り返ろうとしたから、

何となくノイさんの方から

目線を逸らして、

走りまわる子供たちの方に

視線をずらした。


振り返ったノイさんは

私の方を見つめている。


だから私は少し緊張して、

そのまま動けずに

子供たちのほうを見つめていた。


「子供たちは元気だな……」


そしたら急に

ノイさんがそう呟いた。