外が明るくなったころに

私は宿を出て

小さな村の中を歩いてみた。


こうやって一人で

歩くことだって、

今までの私にとっては

奇跡のようなこと。


お城の中の世界しか

知らなかった私にとって、

この小さな村にある

何の不思議もない普通の物たちも

私にとっては

見たことのない様な

ものばかりだった。


外では小さな子供たちが

走っているんだ…。


そんな光景も

今まで見たことのない光景だった。


小さな村を一周してから、

昨日の夜に行った

木の所に行ってみた。


木の下には

先に誰かがいた。