扉の奥には、

ノイさんがいる。


何となくそんなことを思ったら、

理由は分からないけど

少しだけ緊張した。


部屋の扉に

耳をあててみた。


部屋の中からは

何の音も聞こえなかったから、


「寝ちゃったんだ…。」


そう思ったら

何となくさびしい感じがした。


宿を出て、

外に出てみると

涼しい夜の風が吹いてきて、

気持ち良くなった。


誰にも迷惑をかけずに

こんなふうに自由に外に出て、

空を眺めることができたら、

どれだけ幸せだろうか。


どれだけ綺麗な景色を見ても、

私のずっと求めていた

自由が手に入っても、

この自由のために

たくさんの人に迷惑をかけた。