魔法の代償のこと……。


ノイさんは何も知らない。


説明した方がいいのかな?


そう思ったけど

私は曖昧な返事をして

ごまかした。


ノイさんには魔法の代償のこと

知ってほしくない気がした。


いつか私の体が

代償に襲われる時まで、

ノイさんには

代償のことを話さずにいよう。


そう心の中で誓った。


ノイさんがずっと握りしめてくれた

私の右手は

すごく温かかった。


ノイさんの手首にある模様。


何度見ても不思議で、

私は自分の左の手首を見た。


よく似た模様が。


手首の模様-

緑の石-


ノイさんには多くの謎があった。