でもこれは『あの時』に

なくなってしまったはず……。


なのに何で残っているの…?


何でノイさんが持っているの…?


いろんな疑問が

浮かんできたけれど、

今の私たちには

そんなことを考えている

余裕はなかった。


「私を信じて……」


私はそう言って、

ノイさんを抱きしめて

崖の方に倒れて行った。


ノイさんは私のことを信じて

抵抗をしなかった。


何で私のために

ここまでしてくれるの……?


全然わからなかった。


だけど、

ノイさんの胸は

すごく温かかった。