だけどノイさんの

カルさんを信じる目は、

真剣な眼差し

そのものだった。


私は手をひかれたまま、

走りだした。


どれだけ走っただろう?


どれだけ走っても

ずっと追いかけ続けてくる。


もう無理だよ……。


心の中で

何度もつぶやいた。


結果は見えている。


でも言えなかった。


言いたくなかった。


言ったら、

予想していた結果が

現実になてしまいそうな

そんな気がしたから。


だから私は、

『逃げきれる。』

それだけを信じて

走り続けた。