私の涙を見て、
その人は悲しい声で
私の名前を呼んだ。
その声を聞いたら、
胸の中でずっと
こらえていた気持ちが
言葉となって
溢れ出てきてしまった。
「助けて……」
その言葉を聞いて、
ノイさんは
助けてくれたときと同じように
手を差し伸べてくれた。
私はその手を握って、
どこまででも行きたかった。
二人で一緒に……。
だけど、
できないよ……。
ノイさんが
差し出してくれたその手を
私は握ることができなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…