「夜のパーティーの準備をしなさい。」


「わかりました。」


私が返事をすると、

父は部屋から

出て行ってしまった。


父が私を思ってくれていることは

知っている。


だけど、

ノイさんの真剣な表情を見た時のような

温かいような感覚は

起きなかった。


私は窓の近くに行って、

もう一度お城の外を見てみた。


「もう一度…会いたいな…。」


叶うことはなくても、

そう思ってしまった。


二人と一緒にいる時、

昔の楽しかった時間が

蘇ってくるような感じがした。


私は感情を押しころして、

準備をすることにした。