でもそんなことを

考えている余裕もなく、

私はその人についていき、

必死で走っていた。


その人は

煙の出る球を

後ろに投げてから、

小さな脇道に

入って行った。


「残念!」


目の前から

そう言う声が聞こえた。


それは、

さっきの金色の髪をした

男の人たちの一人だった。


茶髪の人は、

逃げようと必死になるが、

なす術なく立ち尽くした。


そして急に、

茶髪の人はしゃがんで、

頭を地面につけて言った。


「彼女だけは見逃してあげて下さい!!」