少し埃がついている、
とても古そうな本。
その本についた埃を
手で払い落してから、
本を開いてみた。
本を開いて
ぱらぱらとめくっていくと、
ちょうど中間の辺に
一枚の紙切れが挟まっていた。
私はその紙切れを取り出し、
開いてみた。
そこには昔、
見たことのある字で
メモのようなことが書かれていた。
『いつになるかわからないけど、
俺たちだけで城をぬけだそう!』
「これは……
ロイさんの字だ…。」
子供のころは
何でもできると思ってた。
子供だから
今はできなくても、
大きくなって頑張れば、
何でもできるって
思ってた。