あの時は、 遊んだままにして この本棚には 戻ってこなかったから、 挟んだものを 取り出した覚えがなかった。 私は、 あの時何かを挟んだ本を 必死に探した。 過去につながる何かを、 見られると思ったら 私はいつの間にか 夢中になっていた。 この本棚だけでも 何百冊という本が、 所狭しと隙間なく 並べられている。 それでも私は、 上から順番に 本を開いていった。