「ごめんなさい。
ぼっとしてて…。」


「良いよ。疲れてるなら、
無理しなくても大丈夫だよ?
ユイはここで待ってるか?」


ノイさんは

心配そうな顔をして、

私に尋ねてきた。


『ユイはここで待ってる』


その言葉が、

何度も何度も

頭の中を流れた。


その言葉は、

あの時の

ロイさんの言葉と重なって、

あの時の

恐怖がよみがえってきた…。


「…嫌…もう嫌だ…。」


私はそう言って、

ノイさんの腕を

力いっぱい握りしめていた。