それからロイさんは 私を離した。 ロイさんは うつむいたままで、 そのまま私に背を向けて、 走り去っていった…。 私が最後に見た、 ロイさんの姿だった……。 「ロイ…ロイ…。」 弱くかすれた声で 何度も何度も 呼んだ名前…。 --------------------- 「ユイ…ユイ…!!」 名前を呼ばれて、 現実に引き戻された。 「ユイ大丈夫か?」 目の前には ノイさんがいた。