それからロイさんは

私を離した。


ロイさんは

うつむいたままで、

そのまま私に背を向けて、

走り去っていった…。


私が最後に見た、

ロイさんの姿だった……。


「ロイ…ロイ…。」


弱くかすれた声で

何度も何度も

呼んだ名前…。




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「ユイ…ユイ…!!」


名前を呼ばれて、

現実に引き戻された。


「ユイ大丈夫か?」


目の前には

ノイさんがいた。