その時、

ロイさんが私を抱きしめた。


父以外の人に

抱きしめられるのは

初めてだった…。


「ユイ…!!
ごめんな…ごめんな…!!」


私を抱きしめたまま、

ロイさんは何度も何度も

謝っていた…。


ロイさんは悪いことなんて

してないのに…。


何度も何度も謝り、

自分を責め続けるロイさんに

私は何も……

してあげられなかった…。


優しい言葉の一つも

言えなかった…。


その時のロイさんの肩が

すごく震えていたことを、

私はずっと…

忘れられずにいた…。