ただ、

あの時の私は

怯えて震えていた……。


ロイさんが

握りしめてくれた手を

精一杯の力で

しっかりとつかんで…。


「今の俺にはユイを
守りきれる力なんてない……。
でも俺は
ユイを守りたい!!」


ロイさんの顔は

真剣だった。


ロイさんは

自分の手を少し見て、

歯を食いしばりながら

そう言った。


「…私は……。」


何も言えなかった…。


頭の中は

真っ白になっていて、

何も考えることなんて

できなかった。