私はノイさんの

考えていることを

わからないふりをして

声をかけた。


「たぶんカルさんはお城の地下牢にいる」


城の外のことは、

全然わからない。


知識として

知っているものは多くても、

実際に触れたり、

体験したものは

本当に少ない。


でも城の中のことなら、

ほとんど

分かっているつもり。


「何所に地下牢があるのかわかるの?」


ノイさんは

そう言ってくる。


一生懸命になって

カルさんを助けることだけを

考えようとしているのが、

手に取るようにわかった。


ノイさんの気持ちは

なんとなくだけど、

わかる気がするから。