「…寒っ」
はあっ、溜息をつけば、白い雲のような息がふわふわと風になびいた。
今日は、私の誕生日。
でも、祝ってくれる人なんていない。
別に祝って欲しくもないけど。
人間は、馬鹿だと思う。
直ぐ誰かに頼り、大人数で群れ、最終的には一人一人違う道を行く。
私は、そんなに弱くない。
1人が寂しくて、誰かに縋るような、人間ではないのだ。
子供達の声が響く公園のベンチに座った。
不意に、携帯に電話がきた。
「…知らない番号」
出るか出ないか迷った私は、結局、出ることにした。
…暇だからね。
「…もしもし」
《出るのおせーよ。由香、お前、今どこにいる?》
若い男の声だ。
私と同じ…高校生くらいか。
ていうか、もしかしてリア充かな。
…面白いじゃん。
「緑ケ丘公園」
《わかった。今から行く》
「えっ?」
今から行くって…え?
もしかして、近くの人なの?
い、いや…緑ケ丘公園ってとこが、他にもあるってことだよね?
もし本当に来ちゃったら…どうしよう。
遊び半分で言ったのが悪かった…!