って普通に謝った。
それが逆にムカつく。
確かに謝れとは言ったけど、そんなにサラッと言われると気に食わない。
「お前なぁ…」
「謝ったんだからいいでしょ?いつまでもネチネチとちっさい男ね」
コノヤロー…。
女だからっていい気になりやがって…。
「それより私追われてるの。助けてよ」
こいつどこまでマイペースなんだよ。
パジャマで追われてるなんて病院抜け出したくらいしか思い付かねぇし。
ってことは、どっか悪いってことだよな?
「お前どっかわりぃの?」
俺の質問にそいつは立ち上がって頷いた。
「病院抜け出していいのかよ」
「いいわけないでしょ?だから追われてんのよ。あったま悪いわねぇ!」
かっわいくねぇ…。
そう思ったけど、震えてる姿を見たら言う気にはならなかった。
パジャマなんて薄いんだから寒いに決まってるよな。
この時季に何も羽織らずに外に出るなんて、余程のことがあったのか?
俺はとりあえずカバンを地面に置いてコートを脱いだ。
よく見るとこいつが裸足なことに気付く。
コートを羽織らせると、俺は背中を向けてしゃがんだ。