大丈夫、きっとお母さんは元気だ。

ほんのちょっと怪我をしただけ。


自分自身に暗示をかけるように言い聞かせ、確証もないせくに「大丈夫に決まってる」と心の中で決めつけようとしていた。


だけど、目の当たりにした現実は残酷だった。



「……お母さん?」


病室に着いて中に入ると、お母さんはベットの上で寝ていた。

ドラマで見るようなたくさんの機械に繋がれていて、一定の間隔で「ピ、ピ、ピ」と音がしている。


「お母さんっ……!」

急いで駆け寄って、手を握った。
握り締めた手は温かい。


頭に包帯が巻いてあって痛々しい姿になってる。



変わり果てたお母さんの姿に、目からは自然と涙が流れていく。