満面の笑みで夢斗は返してくれたので、なんか嬉しかった。







電車が入ってきた。私が乗る電車だ。







急いで、上に上がろうとした。




腕を掴まれて、




「又な。」




と一言。




いつも笑顔で返してくれる、夢斗がそこにいた。




なんでか、本当にさびしさを感じた。




階段を駆け上がり、後ろを気になったが、なんかずっと




みてくれている気がしたので、振り返る事はなかった。




そういう気配って何故か、嬉しいものだった。




みてくれている。




そう思うと、何故か寂しさも半減した。




電車はゆっくりと、滑り出し、夢斗が乗るはずの電車の反対側のホームに


すでに居た。




私が乗っている電車とほぼ同じスピードで彼も一緒に走ってくれた。




猛スピード。







載っている乗客もみんな、そっちの方に向いたが、私はお構いなく







窓ガラスに顔をつけて、凝視した。




ホームの先端まで来るとさすがに諦めたが、見えなくなるまで




ずっと見送っていてくれた。




ずっと、ずっと…