どれくらい時間がたったのだろうか、、




今までに感じたことがないくらいに、長い時間彼は考えていたと思う。




その横顔すら自分は見れないでいた。




何か恥ずかしい、見てられない気持ちだったので、つい真っ直ぐに

海を眺めていた。




私も、何も考えては居られなかった。




どういう返答でも、自分はしっかり受け止めるべきだったが

好きな気持ちは当分変わりそうもない。



で、少し唇が動いたのを、気配で分かった。




「んと、俺の気持ちをいいます。」




なんか、断腸の思いでの一言に、ぷっと吹き出したくなる感じだったが、

そこを何とか我慢をした。




「えっと、今考えていたのは、正直俺から何で言わなかったのか

 ということをずっと考えていて、返答に困ったわけでは無い事を

 先に言っておきます。」





なんだこれ?と思ったが、そのまま静かに聴いた。




思いもよらない応えだった。






「実は俺も大好きです。……。」