「そうだなぁ~…、その人はまだ掴めない人なんだ。よく言えば雲みたいな人。
  やんちゃで、無鉄砲なんだけど、めちゃくちゃ優しい人。」







 「なんだ、それ?わからんなぁ~…、どんな人なんだろう?」

 







 気にしてくれているのか、そうでないのかは分からなかったが、でも
 ちゃんと、意識してくれているみたいだし、まだいいかっと思った。

 静かに続けた…




 「でも、その人と一緒にいるとなんか、ほんわか気持ちがしてくるし、

  すこしだけ、幸せな気持ちになったりするから…。」







 「えっ……、一緒に居るって、、、、、。」




 沈黙が、続いた。夢斗は一生懸命に前に向って、何かを考えている。




 しかも、何か言おうとしている。




 その姿を横目から、じっと見ていた。




 やがて、夢斗は横を向いて、私の方をしっかり目を見開いて、

 言葉を発した。




 「まさか…それって、、、、」




 思い切って目をつぶりながら言った。







 「うん、そのまさかだと思う。

  そう、夢斗が好き。」









 やがて、また静かな沈黙が流れた。かなりの時間だったと思う。

 





 ゆうに、二人は海をながめて、一緒の方向を見ながら、時を過ぎるのを










 待っている感覚だった…