「校長、でも死んだ方はまだどこの誰だが分かりません。誰か嫌がらせというか、
  そういうことも考えられると思います。その辺は何か警察からあったのでしょうか。」




 「いや、まだ事情聴取はないんだ。身元が不明では話にならん。
  身元が分かってから一気に動くのではないかな?」



 「わかりました。」




 終始無言のまま、会議は終わり、先生が職員室から出てきた。




 「久下先生、明日からの練習どうしましょうか。」




 「ん~とりあえず、お盆前で、体育館も使えないからなぁ~近くの大学に使えるか、
  合同練習できるか、持ち合って見るよ。今日だけミーティングと、ビデオを見て、
  勉強会だな。」




 「はい、分かりました。」




 と、先生は頭をかきながら、廊下を歩いていった。




 私はほぼ、解放されたが、まだ朝からいた山下先生は事情聴取が残されている。




 かなり、これは長期展開になりそうだ。


 



 私は心配そうにしている、仲間たちのところにようやく戻れたのが、15時になっていた。




 まだ、みんなも残っていてくれて、うれしかった。

 


 部室に入るなり、

 「キャプテン大丈夫でしたか?
  ひどい目にあいませんでしたか?

  なにかされませんでした?」




 まるで、芸能人扱いだ。




 それでも、普通に装い、なんとかその場を沈めた。




 「さて、視聴室に移って、今日はビデオ勉強と、再度フォーメーションの確認ねっ」



 「明日からの練習は大丈夫、先生が手配してくれるから、今日はこれでがまんねっ」



 「はーい。」





 みんなの、気合の入った返事が返ってきて、正直うれしかった。


 




 山下先生はまだ戻られてない。




 そのことが少々気になった。