「先生、大変です、生徒の誰かが倒れています、しかも血だらけで…。」



 「なにぃぃ~、分かった急いでいくから、お前は救急者を呼んでくれ。」





 バタンと、急遽先生は体育館に向かい、私は隣にあった電話に飛びついた。





 「すいません、救急です。生徒が一人体育館で倒れています。しかも血だらけで…。」





 案外冷静だった。




 どこの誰の生徒か、何者かは判別できなかったが、姿、格好は女性らしかったが

 


 それ以上は分からなかった。





 なんで、何のために…なぞは多かったが、自分自身の死への恐怖がまた

 植えつけられた1日の始まりだった。





 目の前で、死にそうな人、もしくは死んだのかも知れない。




 当分頭から離れられない。




 目に焼きついている。




 どういう事なのか、どうしてここなのか、そこが一番知りたかった。




 どこの誰かわかれば、更なる恐怖やショックを受けるのかもしれない。





 その不安が完全に、自分の頭の中でよぎった。