そういう衝動に駆られたときもあるが、今はない。




 それは鈴木の死 をきっかけにして、本当になくなった。




 なぜかは分からないが、さすがに目の当たりにすると怖くなる。




 でも尊敬もしている。



 なぜなら、死ぬ勇気ほどこの世に覚悟を決めることがないからだ。




 「死んでやるぅぅう。」「死ぬ気になって…。」



 よく人はこの言葉を使うが、本当に死ねるなら楽だろう。




 そんな苦労をしなくても良いだろうと思う。




 だから、生きるための苦労は、変えがたきものに成るのだ。




 死んだら、何も言い訳も出来ない。



 その言い訳は通じない。



 聞いてくれる相手すらいないのだ。




 これはかなり、ショックなことではないか?




 というより、それが現実。




 死んだらおしまい。




 軽々しく、死ぬなんて使えない。




 死んでも、死に切れずどうしても生き残る人もいる。




 そこまでの決断ができないのか、怖いのか、運がないのか…




 でも、覚悟はあるのは立派だと思う。




 死んだらおしまい。




 自分に言い聞かせている。




 さて、明日は3日目の練習だ。




 残すは3日。





 休みをどうしよう…





 そんな余裕のある、夜の過ごし方だった。