どうすれば、治るかは分からなかったし、どうすればという疑問すら

 沸かない状態だった。




 まるで、ミルクしか飲まない、飲んだ満腹になれば寝る赤ん坊のようだった。

 


 本能がそうさせている。



 意識はない。



 意識的に動いているという、奇麗事ではないのは確かだった。



 
 意識をするということは非常に難しかった。



 意識して動く事は何もできない。




 意識する事は、実際にどうすればいいのかもわかなかった。

 


 今の状態は、仕方ない。そう思うしかなかった。




 家に帰れば、温かい料理もあるし、言う事はなかったが、

 それすら感謝の気持ちはなかった。



 それが当たり前だから、何も思わない。

 




 それが、いけない事を分かったのは20代過ぎて、最初の結婚をしてからだった。