怖い、恐ろしいのが先に来てしまいどうしても、乗れなくなっていたことに

 気づき始めたのはこのころだ。


 
 いかにして、時間をずらすかがいつも頭が痛いが、人が多いことに関しては

 本当にだめだった。


 
 家の近くまではほぼ満員で、降りる駅で一気に人並みに流れるようにして、

 電車から降りた。

 


 やっと、こういう閉疎感からのばれる、その安堵感で一杯になる。




 駅に降りると公衆電話から、夢斗にベルを打った。

 


 「キョウハアリガドウ、ヤットエキニツキマシタ。」




 簡単だったが、何か通じている気持ちがあり、ほんわかになれるときだ;

 


 明日からまた練習が1週間あり、それから盆休み。

 


 盆にはいつも田舎に帰るのだが、今年は自分だけ帰らない。

 


 高校部活最後の年ということで、練習に専念して、秋につなげるためだった。











 まだまだ、練習が足りないと思った自分のせめてもの対抗意識だった。




 今年は、”あいつ”の世話もしなければいけなかったが、あの事件以来

 連絡もないまま、このままお流れになることを祈った。




 この間より、月明かりは弱かったが、それでもしっかり小さい月明かりは

 煌々と照らしていた。


 
 自分への夢と、克服の為にいざ日々真剣勝負だ。


 
 早く自分を見つけたい。

 


 早く自分という存在を感じたい。




 そう思い続けている。