帰りの電車は妙にさびしくなっていた。






 鈴木の事、夢斗と分かれて一人になって、少し傷心気味になっていたこと。







 いろいろ考えるとやっぱり、寂しくなり、マイナス思考に走りがちだ。

 


 誰かと居ないと、誰かに支えられないと一人では生きてられないのかともおもった。

 時折、この姿がさびしくも思う。

 


 辛いことなど、長い人生に一杯あるのに、何でかわからないが今が非常にも

 辛く思えて仕方ない。




 電車は「横浜」の駅につき、夜の帰りのラッシュの中賑わう町並みの中

 一人でいる事がいたたまれなくなり、恐ろしくもなった。




 こういうときに、孤独感を味わうのかなとも思った。

 でも、今は少しだけ耐えられそうな気もしていたので、何とか持ちこたえて

 まっすぐに乗り換えの、地下鉄のホームに向かった。

 


 自分は歩くとどうしても下を向く癖がある。

 これは、多分見られたくないとかの表れだと思う。

 


 下を見ると誰とでも目をあわさなくていいし。

 また、人の目線を気にする必要もないから。

 


 どことなく、おびえた感じは少し、情けなくもあったが、

 どうしても今の姿が精一杯の自分だった。

 
 
 地下鉄に乗り込みと帰宅ラッシュだったが、それが一層怖い。

 このころから、満員電車とか、人が多いところとかがかなり苦手になっていた。