鎌倉駅行きのバスが来た。




 運賃を払い、一番後ろの席に座った。







 乗客は少なめだったので、私たちの会話がかなり響いた。







 「少しは気が晴れた。いい気分転換になったかな?」




 「うん、ありがとうねっ、今日は、なんか楽になった気がする。」



 「そっかぁ~そりゃぁ~よかった、来たかいがあったか。」








 豪快に笑う、彼を見て、くすくすと思わず笑ってしまった






 やっぱり、笑顔はなにものにも変えられないなぁ~と改めて思った。







 そして、自然に居られる自分が妙に不自然なきもしていた。





 バスは海岸通りを日ひた走る。







 黒い海は眺めることはできなかったが、それでもにおいがとても

 心地よかった。








 ときどき、自分での葛藤に襲われた。





 ”あいつ”の事をしっかり話したほうがいいのだろうか?




 
 そんな事を考えるようになってしまっていた。




 


 正直にいつかは話さないと。




 嫌われるのが怖い。







 でも、本当のことを言うと、やっぱり嫌われてしまうのだろうか。







 ん~悩みに悩んでいた。







 前向きには考えられない、私をさらに悩ませていた。





 どうしてもといえないということが先に来てしまう。





 そんなことを思いながら、バスは駅についた。