夕暮れも地平線に着きそうなとき、埠頭の先に二人は方を並べていた。



 キレイな夕日も、そろそろ終わりかけのときだった。



 「本当にきれいな夕日、落ちちゃうねぇ~…」




 「いやぁ~落ちるんじゃなくて、そう見えるだけだよ
  だって太陽から見れば、一日中いや宇宙中照らし続けているわけだから、
  人間から見ただけだから、落ちるとはいうけどねっ。」




 なんか、この人…観点が違う。



 そういうところにも少し惹かれる部分もあった。



 見方が違うと、考え方も違う。考え方も違うと、見方も違うと感じた。




 「でも、人間からみたら、そう移写るでしょ?みたまんまがいいよぉ~。」
 
 「そうだねっ、それも大事。でも、太陽・相手から見ることも時には必要かもよ。」

 
 確かに…見方には裏表だけでなく、縦、横、上、下なんど一杯あるからねっ

 じわりじわり、感じる夢斗との距離、これも夢斗は感じてくれているのだろうか?


 「なぁ~…」




 いきなり方を並べていた、夢とがこっちを見てきた。


 「キスしていいか?」





 不意に、いとも簡単に言ってきたのでびっくりした。


 「えっ…。」

 即答できない。キスなんて、”あいつ”以来の人間とはしていない。



 ましてや互いの同意じゃないのはキスと呼べるのだろうか位に思っていた。



 キスは正直この17年間一度もないと思うようにしてきた。



 それも自分との葛藤。