「俺は今、さくらと一緒にいたいって思ってるけど、さくらは違うの?」
分岐点の上に立つ。
大事な節目に、終わってしまうものも、始まっていくものもある。
例え、どの道を選んでも、
きちんと向き合った結果がそれなら、
互いに最良な答えなのかもしれないね。
「…どう思う?」
分かりきってる質問をあえてする翠の後ろに、せっかちな桜の木を見つけた。
まだ花開いてはいないけど、蕾をつけたその木。
暫くしたら優しい新緑の葉が顔を出して、
みどりとさくら。
葉桜の時期には、大好きな色合いになる。
「その返しは反則だろ?」
納得いってない翠の耳に顔を近ずける。
「翠も、私がいなきゃダメでしょう?」
なんてね。
- fin -