「受かった」
もう一度、リピート再生をするように、翠が言う。
誇らしげな表情を浮かべる翠に、当たり前でしょうと思いながらも、安堵感が心に流れ込む。
一歩地面を蹴って、翠に抱きついた。
「おめでとう!」
ギュッとした後で、正面から翠を捉える。
「私の予言的中だね!」
ニヤッと笑ってすぐ、しまったと思った。
翠の目が、あまりにも真剣だったから。
「あ、ごめ…」
嬉しかったとはいえ、衝動的に動きすぎた。
目の前の現実から逃げるように、体を離そうと1歩引く。
だけどその腕はすぐに翠に捕まり、引き寄せられてしまう。
瞬く間に、翠の腕の中だ。
「えと、」
「戻りたい」