「みーどりっ」
「………」
高校3年ではじめて同じクラスになって、2ヶ月くらいで付き合い出した彼。
「…ねぇ、みどりってば!」
ラブラブだったのは、いつのことやら。
付き合って3ヶ月経つか経たないかで、翠(みどり)の大学受験への準備が本格的になっていって、会えるのは、ほぼ学校だけ。
憧れのアパレル会社に就職が決まっていた私とは、当然距離も、どんどん開いていった。
気付けば1月。
今日だって、冬休みで顔見ないからって無理矢理時間つくってやっと会えたのに、、
「んー…」
翠は私より、テキストに夢中だ。
少しも私を見ることなく、とりあえず声を出した、そんな感じ。