「落ち着いて聞いてください。」
「西野さんは…後腹膜腫瘍です。」
突然医師からそう告げられた。
「発見が、遅かったようで…長くもって1ヶ月とみてください。」
「えっ……。」
私、西野 優香は余命1ヶ月のようです。
「娘は…娘は助からないんですか!?先生…お願いです。優香を助けて下さい!!」
お母さん…。私のことは気にしないで…。私は、大丈夫だから。
「治療すれば、余命は延びます。ですが、多額の費用と何より…娘さんが苦しい思いをされることになります。」
「ゆうっ…か…。」
「お母さん…。いいよ。私、最後ぐらい楽しんで生きたいの。だからさ…治療しないよ。」
私は、お母さんにそう言った。
ホントはね…
もっと生きていたいの。まだ高校生だよ?
恋だって、片想いのままなんだよ…?
君にも、もう会えなくなるんだね。
せめて、この想いだけは君に伝えたいな…。
ねぇ、亮くん…?
気づくと頬に涙がつたわっていた。