ほとんどの生徒が帰った寂しげな廊下を、刹那と並んで歩いた。
やっぱり、フッた人間とフラれた人間が、一緒に歩くのは気まずい。

だけど、あたしの頭の中には、アイツのことしかなかった。


てゆうか…ムカつく!
ムカつくムカつくムカつく!
綾女ほんま何なん?
何キレてんよ?
あたし何か悪いことしたっけ?


あたしは、隣に刹那が居ることも忘れて、イライラしていた。
バカな刹那にも、分かるように。


「何なん? 何キレてん?」


ピリピリした空気を悟ってか、話しかけてくる刹那。

あー! イライラする!
全て! うん、全て!
英語でいうと、ALL?
今 現在 全ての ことが!


「キレてない!」


ついつい、きつい口調になってしまう。


刹那は何も悪ないのに…

あたしって嫌やな。