キーンコーンカーンコーン――


もう放課後や。
集まりがある。
良紀に会える時間がやってくるっ★

うきうき気分で用意をするあたしに、綾女が話しかけてきた。


「百合」


何よその喋り方。
ばり上から目線じゃね?
困るわ~こうゆうの。
あたしカルシウム足りんからさぁ。


「何? 先帰っとってええよ」


反撃するように、声を低くして返事をする。
向こうも『あっそ』というと思っていた。
だけど彼女は、予想外のことを口にした。


「あんた何て小城に返事したん?」


…は? 刹那?
なんで刹那が出てくんの。
この話しに全然関係ないし、
それに綾女には関係なくない?
―――ムカつく。


「何で教えなあかんの?」

「別に? 先帰るから」

「帰れば?」


踵を返して歩く彼女を、あたしは見つめていた。