「おーい!秋山!」

見覚えのある診察室の前に来るとのぞむくんは大きな声で名前を呼んだ

「おー!のぞむかー!」

聞き覚えのある声が聞こえた

扉を開けたその人は私を見るなり驚いて

「おい!この子走らせてないだろうな?」

怒ったように薫に聞いた

「あ、はい、走ってないです」

ギュッと繋いだ手に力が入った

暖かい

心が少し温かくなった

「よかった…
こいつらバカだけど仲良くしてやってな?」

私の頭を撫でながら、秋山先生は言った

「う、うん!」

精一杯返事をした