高校最後の夏休みが始まり、
周りはみんな慌ただしい。
友達はみんな塾三昧。
うちの高校は進学校なので進学組が
多数を占めている。
あたしはといえば、成績は中の中。
やりたいことも、
なにも見つかってはいなかった。
まだ焦りはなかった。
どうにかなる。
そんな軽い気持ちでいたと思う。
夏休みが始まり、
初めて隼人から家に誘われた。
あたしは精いっぱいのオシャレをした。
地味すぎず派手すぎず。
服選びだけに一時間以上費やしただろう。
そして手土産のケーキを持ち、
隼人の家に向かった。
今年の夏は暑い。
今年というか、いつもそう思う。
去年の夏の暑さなんか
覚えていないけど暑い。
タオル生地のハンカチで軽く汗を拭き
取りながら歩いた。
新しく下ろしたサンダルで
靴ずれを起こして足が痛んだ。
隼人の家の前で深呼吸。
そしてチャイムを鳴らした。
「おはよう、夏菜。よく一人で来れたな」
そう言って隼人は、
また八重歯を出して笑う。
あたしは一生この笑顔には
かなわないだろう。
「子供じゃないんだから!」
そう言って拗ねるあたし。
悪い癖だ。
周りはみんな慌ただしい。
友達はみんな塾三昧。
うちの高校は進学校なので進学組が
多数を占めている。
あたしはといえば、成績は中の中。
やりたいことも、
なにも見つかってはいなかった。
まだ焦りはなかった。
どうにかなる。
そんな軽い気持ちでいたと思う。
夏休みが始まり、
初めて隼人から家に誘われた。
あたしは精いっぱいのオシャレをした。
地味すぎず派手すぎず。
服選びだけに一時間以上費やしただろう。
そして手土産のケーキを持ち、
隼人の家に向かった。
今年の夏は暑い。
今年というか、いつもそう思う。
去年の夏の暑さなんか
覚えていないけど暑い。
タオル生地のハンカチで軽く汗を拭き
取りながら歩いた。
新しく下ろしたサンダルで
靴ずれを起こして足が痛んだ。
隼人の家の前で深呼吸。
そしてチャイムを鳴らした。
「おはよう、夏菜。よく一人で来れたな」
そう言って隼人は、
また八重歯を出して笑う。
あたしは一生この笑顔には
かなわないだろう。
「子供じゃないんだから!」
そう言って拗ねるあたし。
悪い癖だ。