なんだかこの距離がもどかしかった。

隼人は真剣な目でカメラ片手に

写真を撮っていた。

あたしはそんな隼人の姿が好きだった。

「希美さん、きれいだったね。

あたしもあんなふうになれるかな」

あたしは起き上がり、隼人にたずねた。

「今日の夏菜だってきれいだよ。

いつかは純白のウエディングドレス

着せてやるからな」

そう言った隼人の顔は真っ赤だった。

「夏菜、大好きだよ」

隼人の手があたしの肩に載り、

顔を近づく。

あたしは静かに目を閉じた。

唇の暖かい感触。

これがあたしと隼人の初めての

キスだった。

初めてのキスを交わしたあと、

二人して微笑んだ。

「俺たちもいつかさ、

教会で式挙げたいな。

永遠に愛することを誓いますか？って」

隼人が真っ直ぐな瞳で言った。

「誓います！！」

あたしがそう答えると、

隼人は微笑みながら、

「いつかな。本当に夏菜のこと、

もらってやるから。んで幸せにする」

そう言って八重歯を見せて笑った。

隼人はキラキラと光っていて、

あたしには眩しすぎた。