「みんなで写真撮りましょうよ」

カメラを片手に隼人が言った。

そしてみんなで教会をバックに

写真を撮った。

一樹、希美さん……結婚おめでとう

結婚式が終わった帰り道、

隼人はあたしを海に誘った。

海までしっかりと手をつなぎ歩き出す。

やわらかな風に乗り、潮の香りがした。

「は〜や〜と〜気持ちいいよー」

あたしはミュールを脱ぎ捨て、

海に入った。

「夏菜、子供みてぇ」

そう言って隼人は八重歯を見せて笑う。

「なによ〜隼人だって子供じゃん」

あたしが少し拗ねると、

隼人は靴を脱ぎスーツのズボンを

捲り海に足を入れた。

「気持ちいいな」

「でしょ?」

海が本当に青く透き通って見えた。

そのまま膝まで海に浸かり、

海水を掛け合ったりして

子供みたいにはしゃいでいた。

そして隼人はあたしの手を握り、

浜辺を歩いた。

「海っていいな」

「うん。あたし夏が一番好き」

「俺も」

そして二人で浜辺に寝転び、

空を見上げた。