希美さんがからかう。

幸せ。家族って温かい。

「夏菜ちゃん、これからよろしくね!

悩みがあったら、

いつでもあたしに言ってね」

そう言った希美さんの顔は、

すでにお姉さんの顔だった。

うれしくて泣きまくった夜だった。

そして兄の結婚式の日取りも決まった。

身内とごく親しい人だけ集めての

小さな結婚式。

兄は結婚式に、百合とさとみと隼人を

招待してくれた。



結婚式当日。

兄は朝から緊張しまくり。

あたしは水色のドレスに身を包み、

身支度をしていた。

父も朝から落ち着かない様子。

親子だな。

あたしの顔から笑がこぼれた。

そして式が始まった。

希美さんは純白のドレスに身を包み

幸せそうに笑い、そして泣いていた。

横にいた隼人はそっとあたしの手を握った

温もりを感じた。

ブーケは投げずに

希美さんがあたしにくれた。

「一樹と幸せになるから」

希美さんは涙を流して、そうつぶやいた。